最近使われる言葉に「終活(しゅうかつ)」というのがあります。
終活とは、「人生のエンディングを考えることを通じて自分を見つめ、”今”をよりよく”自分らしく”生きる活動」という前向きな言葉です。
以前は「縁起でもない」という風潮もありましたが、今日では自分の死について自分で考えなければならない時代背景もあるようです。
趣味や生きがいを見つけ存分に謳歌することも終活のひとつでしょうが、自分が亡くなった後の準備をしておくことは、後々の心配事が減り、今をよりよく生きることにつながります。
先日、テレビを見ておりましたら次のようなものがありました。
(『意外とあるかも!? 損したくないガッチリ遺産相続#1 #2』KTS番組 2017.12.31放映より)
遺言は遺産が多いから書くというものでもありません。
西洋のことわざに「死者は生者を悩ましてはならない」というのがあるそうです。
後に残される相続人に負担をかけないために書いておくものです。
「うちはモメるほどの財産がないから」「うちは仲が良いから」と、ほとんどの方がおっしゃいます。
ところが、残念ながらほとんどの場合、大なり小なりモメることになります。
一番の原因は、親(被相続人)の考え方がわからないことにあります。
遺言があれば、先手必勝であっという間に終わります。
遺言はすべてに優先するのです。
相続は、問題が発生してから解決するよりも、早い段階から対策を講じて問題を回避する方が、ご家族の労力や費用、精神的負担は少なくて済みますし、何よりも人間関係が維持できます。
「子育ての締めくくり」として、ぜひ遺言を残しておかれることをおすすめします。
死を迎えることは、一生に一度の大事業です。
●遺言を残した方が良いケース●
万一のとき、あるいは万一にそなえて、まずはご相談ください
「自筆証書遺言」保管制度が始まりました
(2020年7月10日から)
【3つのポイント】
①未発見、改ざんを防ぎます
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弊所では、トラブルが少なく確実な、→□で囲んでいる方法を推奨します。
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~遺言は、愛する家族のための最後の感謝と愛情です~
遺言の作成を考えている皆さんには、専門家への相談をお勧めします。
気軽に相談できる専門家といえば、書類作成のプロである“行政書士”。
費用も弁護士などに比べ安く抑えることができます。
但し、行政書士もそれぞれ得意分野が異なります。
許認可や会社設立が得意な人、帰化・在留許可が得意な人、自動車関連手続きが得意な人などそれぞれなのです。
行政書士でも「相続・遺言」をメイン業務に掲げている人を選びましょう。
また、司法書士は相続登記が専門のため、不動産が無い場合は遺言の作成ができないので注意が必要ですし、税理士は相続税の相談はできますが、遺言を単独で作成することはできません。
遺言は、心残りがないように「生きる」ためのものです。
遺言と聞きますと何かネガティヴな印象ですが、実によいことだらけで役に立つものです。
皆さん、少額でも何かしらの相続財産はあって、ゼロではないはずです。
遺産が100万円でも1億円でも、相続手続きは同じです。
手間や費用が相続額より高くつくケースもあります。
例えば、亡くなった夫の遺言があれば、妻はほかの法定相続人と協議する必要がなくなります。
遺言がある場合とない場合の違いを見てみますと、下の図のようになります。
『おひとりさまの法律』(法研)より
この2つを一言で表すと、
遺言相続・・・事前準備派
遺産分割協議・・・後の事はお任せ派
と言えます。
「自分がこの世を去った後は、どうなっても関係ない」と考えていれば別ですが、普通の人ならば自分が他界した後、自分の財産のことで家族に面倒な問題を残したくないと考え、これを予防するために遺言をするわけです。
もう少し詳しく述べますと、遺言相続は、
①遺言者にとって…
・希望をきちんと伝え、気持ちがすっきりします。
のちのちの心配事が減ります。
安心して前向きな余生を過ごすことができます。
目標や計画が立ち、今を賢く生きることができます。
その結果、長生きします。(たぶん)
・配偶者や家族、お世話になった近親者などに感謝の気持ちや恩返しすることができます。
・相続人に感謝され、感動を与えます。
②相続人にとって…
・被相続人を亡くして悲しみにくれる中、相続に頭を悩ますことや気まずい雰囲気、無用な駆け引き、トラブルを防ぎ、その後も家族(兄弟)仲良くできます。
・財産を調べることから始まる相続手続きの負担を減らし、円滑な相続を進めることができます。
・遺言は遺産分割協議に比べ、時間・労力・費用がかかりません。
・相続の心配が解決し、安心して過ごせます。
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●遺言をする、しないは自由です。
法律で保障されています。(遺言自由の原則)
でも、もし亡くなった後に、財産を自分の思い通りに残したいのなら、遺言書をのこすしか方法はありません。
遺言書は、あなたの代わりにあなたの想いを確実に実現してる「お守り」です。
遺言書は、「法定相続」よりも優先される、遺言者だけが持っている特権です。
自分が生きている間は、所有財産は自由に処分することができます。
(私有財産制、私的自治の原則と言います)
遺産というのは人が亡くなったときにその人が所有していた財産のことですから、自分の意思で財産をどのように処分するか決めることができるわけです。
その意思表示が「遺言」です。
このような理由から遺言が優先され、法定相続の規定については「遺言がない場合」の補充的な規定になっているのです。
もし遺言書を残さず亡くなると、財産の種類や額に関係なく、法律で決められた相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で、遺産の分け方が決められることになります。(そこには、被相続人の考えや想いは存在しません)
この「話し合い」というのが、実は「曲者」でして、相続の際には揉めるもとになりやすいのです。
遺言は遺言者の意思が尊重されるので、相続人同士の話し合いが不要となり、「争族」が未然に防げます。
(話し合いで、全員が満足することはありません。全員が少しずつ不満を持つことになります)
例えば家庭裁判所への相続関係の相談件数は約17万件(年間死亡者数・約125万人、2012年)、全相続件数の14%で決して少ない数ではありません。
そもそも家庭裁判所に相談に出向くこと自体、非日常の行為です。
●遺言書がないと、次のような主張をしたり、心の中で考える人が出てきます。
1)揉めたくないので泣く泣くしたがったが、自分の相続分が少なすぎる。法定相続分がほしい。
2)ほかにももっと財産があるはず。隠しているのではないか?
3)遺言があるはず。生前、口では言っていたのに。
4)自宅評価が低すぎる。その分、相続財産が減った。
5)他の兄弟に進学、結婚、家建築などの経済支援(特別受益)があった。
6)これまで自分は介護、日常の世話をしてきたのに…。(寄与分)などです。
つまりは、不公平感です。
これは多かれ少なかれ、避けられません。
何しろ法律では、
「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。」(民法900条4項)
と均分相続の原則を明確に謳っているのですから。
これらは別に浅ましいということではなく、戦後の民主的民法で相続分を保障しているのですから、もっともな主張とも言えます。
「相続をするたびに兄弟仲が悪くなる」「兄弟は他人の始まり」という言葉もありますが、こうした主張が出始めるとスキマ風が吹きはじめ、疑心暗鬼になってお互い良い気持ちはしません。
●もめるのは、主に子ども同士(兄弟姉妹間)です。
どうしても不満がたまったり、我慢が必要になったりして、今後の付き合いにも影響が出かねません。
これを予防するためには、遺言書を残すことが最良の方法です。
そのため、日本でも近年遺言書を書く人は年々増加し、亡くなる方のおよそ10人に1人が遺言書をのこすようになっています。
自分で苦労して作り上げた財産だからこそ、孫や子の災いのもとにならぬよう、最後まで責任を持って財産の行く末を決めておいたらどうでしょうか。
逆に、遺言者本人だけでなく、決めておいてほしい方、決めておいてもらわないと困る方(相続人・家族)も多く利用しています。
また、経済的にも「速やか」で円満に財産の配分を完了させるためには、遺言書をのこすことが最も有効な手段であり、費用対効果も大きいと言えます。
また、生命保険も人の死に関するものですが、生命保険を「縁起が悪い」という人はあまりいません。
保険は事故を防ぐことはできませんが、遺言はトラブルを防ぐことができます。
遺言はお金もかかりません。
紙切れ一枚で可能ですから、保険よりもはるかにコストパフォーマンスは優秀です。
遺言は、保険と同様、いざという時のためのものですから、作るのに早すぎるということはありません。